2015年07月08日

6/15お灸講座「食養生とお灸」

 6月15日(月)、第三回お灸講座を開催しました。参加者のリクエストによりテーマは「食養生とお灸」。
 
1)風邪を引いたり、調子が悪いなという時、皆さんはどうされますか。

栄養のある物をしっかり食べて・・・というのと正反対で、しばらく断食してみるというのはいかがでしょうか。

からだが調子を取り戻すことに専念できるように、消化吸収の仕事はお休みさせてあげるという発想です。

栄養のある物をしっかり食べてというのは、病気の背景に栄養失調があった時代の対処法ではないかと思います。

2)食養生の話なのに、いきなり断食の話から始まりました。

次にお話したのは、何を食べるかよりも、食べすぎないことが大切ということ。

禅宗では食事の前に唱えるお経の中で、
「目の前にあるこの食事を頂くだけの働きを、今日私はしただろうか」
という趣旨の言葉が出てきます。

また江戸時代のある観相家は、
「己れの分際を越えて食べ過ぎれば、どんなに良い人相の持ち主でも災いに遭う」
という意味のことを述べています。

命を頂くという行為が食の本質の一つですから、自分に必要な分限を越えて他者の命をもらおうとすると、様々な問題が生じるのも不思議ではないという気もします。

3)以上を踏まえた上で、日本列島に生きた先人たちが食養生のポイントとして残した言葉を拾っていくと、

・玄米、緑黄色野菜、イモ類、海藻、大豆を毎日少しでも食事に入れること(地産地消と言われるが、山村でも長寿の所は交易で海藻を入手し沢山食べていた)。

・春は苦味(山菜など)、夏は酸味(梅干し、酢の物など)、秋は辛味、冬は油脂(動物性のものなど)。

・肉体労働者は肉食を多く、非肉体労働者は肉食を少なく。

・魚は切り身より小魚を。


等々、特別目新しいことはないかもしれません。

逆に言うと、体調・体質に合わせて細かく食べる品目をコントロールするという発想自体、それだけ豊富な品目が手に入る昔の中国皇帝・貴族のような状況にないと、実現が難しかったのかもしれません。

そしてまた、そこまでしなくとも、老いてなお身体が動いて働き続けられるような状態を維持することは可能、ということではないかと思います。

4)薬膳などの本に出てくる五味の表(肝・酸/心・苦/脾・甘/肺・辛/腎・鹹)はどのような体験に基づいて出てきたのか、どのように運用すれば良いのか、この表は本当に事実に即しているのか、参加者の方と実験してみました。

 まず参加者の方に自分の胸とお腹を押してもらって、痛い所を見つけます。胸骨の上あたりと、おヘソの左横の腹筋のあたりが、押すと痛いようです。

 さて、予め用意した五つの味(酸:米酢/苦:緑茶の葉/甘:黒砂糖/辛:黒胡椒/鹹:天然塩)のうちの一つを片手の平に乗せ、もう片方の手で先程痛かった所を押してみます。

 胸の痛みについて。胸ということで「心」と関係があるかと考え、「心」と対応する苦味の緑茶葉を手にのせると・・・痛みが強くなった!

 それでは経絡の流注のルートで考えて、腎経のライン上に痛みがあるので、「腎」と対応する鹹(=塩辛い)味の天然塩を手に乗せると・・・少し痛みが減る。

 次に何気なく黒砂糖を手に乗せると・・・痛みが消えた!

 こんな感じで左腹の圧痛についても実験しました。

 正直に言って、なぜこのような結果が出るのか、理路整然とした説明はまだ出来ません。

ともかく甘味で胸痛が消えたということで、甘味と関係する脾経のツボにお灸をすえてもらいました(お灸のすえ方は一から全てお教えします)。
するとやはりよく効きます。

 五味がからだに及ぼす作用について、本に書いてあることを鵜呑みにせず、一緒に実験的に検証してみたいという方、大募集中です。

5)最後に、食養生というと、食を体を良くするための「手段」として捉えてしまいがちですが、
「体に良い物をと考えて食べていたはずなのに、ちっとも体が良くならず、あるきっかけでそれらの食べ物に対する感謝の気持ちが出てくるようになると、同じ物を食べているのに、どんどん体が良くなっていった」
という体験談を紹介しました。

食べるという事は本当に奥が深いと言わざるをえません。

 次回のお灸講座は7月15日(水)10時〜12時に開催予定です。お申込みお待ちしております。
posted by   at 00:31| Comment(0) | TrackBack(0) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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